仕事で報告をするとき、「深堀りが足りない」「考えが浅い」と言われたことはありませんか?
今日もキャリア面談の中で、「自分としては考えているつもりなのですが、上司からは深堀りが足りないとフィードバックを受けたんです」という相談を受けました。
「深堀り」ってよく使われる言葉ですが、どこまでが浅くてどこからが深いのか、全く分からないですよね(笑)。抽象的ワードの代表格です。
だからこそ、どこまで行けば深いのかを考えるよりも、「自分はここまで考えました」と伝えることにパワーを使った方が建設的です。
これをやるだけで相手の反応が大きく変わる、たった1つの伝達方法をご紹介します。
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「深堀りが足りない」の解決策|結論だけでなく考えた過程も報告する。
深堀りが足りないと言われるとき、あなたは結論だけを報告していませんか?
例えば、何かの問題について1週間後に解決策を出すように言われたとき、1週間一生懸命に考えた末、

「この方法が良いと思います。なぜなら、この方法は、これとこれとこれが良くて……」
と、報告していないでしょうか。
一見、結論と理由がセットになっていて、良さそうに見える報告ですが、報告を受ける側はこんなことを考えています。

本当にその案しかないの?他には案を検討したのかな?直感的には良い気がするけどリスクやデメリットはない?……本当にそれでいいの?
といった具合です。これらの疑念が「深堀りが足りない」という言葉になって返ってくるわけです。
言われた側は「深堀りってどこまで深く掘れば合格なんだよ!何メートルだよ!」となって、お互いに後味の悪さだけが残ります。
これに対する処方箋は、結論だけでなく考えた過程も含めて報告することです。
先の例と同じように、1週間後に何かの問題について解決策を出すように言われた際、あなたは1週間考えるでしょう。
こうすればいいかな、ああすればいいかな……と。
考える過程で、解決策の案が複数浮かんでくると思います。A案・B案・C案……という具合に。そしてその中から、一番良いと思った案を報告していますよね。
その「案を複数出して、比較検討して、一番良いと思ったからこの案にした」という一連の流れを報告すると良いのです。

解決策を考えてみました。結論、A案がいいと思っています。他にB案・C案・D案も検討したのですが、●●という理由でA案がベストだと判断しています。
先程の、A案のみの提案より「深く」考えたように伝わりますよね。
聞き手からしても、複数の案を並べて比較検討した上で出された解決策なのであれば、納得感が増すでしょう。
もし、更に深堀りが足りない場合でも、「どのような観点での深堀りが足りないのか」を教えてくれる確率がグーンと上がります。

B案・C案・D案には、この論点が欠けているから、この点も含めて考えてみて欲しい。
という具合に、深堀りがどこまで行けばよいのか、示しやすくなるわけです。
これにより、お互いの「深堀り」についての目線が合い、「これからどうすればいいのか」について建設的な会話が可能になります。
よく、ビジネスでは「結論から話せ」と言われますが、これは「結論だけ話せ」とは違います。
せっかく結論を出すまでに考えた軌跡があるのですから、それを効果的に報告に加えることで、納得感のあるコミュニケーションをしていきましょう。
まとめ|深堀り不足を解消するために、考えた過程も報告しよう。
深堀りが足りないと言われたら、「何メートル掘ればいいだよ!」と考えるのではなく、報告の仕方を変えてみましょう。
結論だけでなく、その結論に至ったプロセスまで報告するのです。
「結論から話せ」は「結論だけ話せ」とは違います。
もしそれでも深堀りが不足しているようであれば、追加でどの観点を深堀りすればよいか教えてもらいましょう。結論だけ伝えていたときよりも、その答えが得られる可能性が格段に高くなると思います。
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