「好きなことを仕事にしよう」
そう言われても、「自分の好きなことが分からない」「本当にこれが好きなのか自信がない」と悩んでいませんか?
新卒の就職活動でも、転職を考えるときでも、「好きなこと」を仕事の軸にしたいと考える方は多いです。しかし、実際に「好き」だけで仕事を選んでしまうと、後から「思っていたのと違う」と感じることも。
そこで今回は、仕事選びにおける「好き」の本質を解説し、キャリア選択に役立つ視点を提供します。
✔ 自分の好きなことが分からない。
✔ 好きなことを仕事にしたいけれど不安。
✔ 好きだと思っているけど、それが本当に仕事にできるのか分からない。
そんな方にぜひ読んでいただきたい内容です。
さらに、キャリア選びの参考になる1冊『仕事選びのアートとサイエンス 不確実な時代の天職探し』も紹介します。
本書は「好きなことを仕事にしていいのか?」と考えるにあたり、良質な示唆を与えてくれます。ぜひ併せて読んでみてください。
「好き」と「憧れ」を混同していませんか?
キャリア支援の仕事をしていると、「●●が好きなので、●●に関われる仕事がしたい」という相談をよく受けます。
たとえば、「人と話すのが好きだからキャリアコンサルタントになりたい」「サッカーが好きだからスポーツ業界で働きたい」といった声です。
好きなことを仕事にするのは素敵ですが、ここで注意したいのが、「好き」と「憧れ」の違いです。
書籍『仕事選びのアートとサイエンス』では、このように指摘されています。
「好き」と「憧れ」の混同
次に考えてみたいのが「自分は何がやりたいのか?」という問いです。これもまた、エドガー・シャイン、マイケル・アーサーの両名が共通して指摘している点です。しかしこの問いも、気をつけないとかえって本人のキャリアをミスリードすることになると考えています。
なぜでしょうか?
一つ目の理由は、往々にして人は「自分が好きなこと」と「自分が憧れていること」を混同しているからです。
例えば「問題の解決策を考えるのが好き」と主張して、経営コンサルティング会社への転職を希望する方は大変多いのですが、そういう方に、では最近考えいる問題を取り上げて、どのような解決策が適切なのか、あなたの考えを教えてください、と振ってみると、まともな回答が返ってこないケースがままあります。
これは典型的に「好き」と「憧れ」を混同してしまっているケースです。御本人にとっては紙一重なのですが、「コンサルティング会社で問題解決をしている自分」のイメージに憧れているだけで、問題解決という営みそのものを日常生活の中で愛好しているわけではないのです。「コンサルティングファームの社員になりたい」のであって「コンサルティングをしたい」のではない、という言い方もできるでしょう。
本当に問題解決という営みそのものを愛しているのであれば、仕事上の要請を離れても、勝手に自分で、例えば社会的な問題について問題を設定して解決策を考える、ということを繰り返しているはずなので、「問題は何? どう解決すればいいの?」といった質問を投げかければ、一晩中でも話し続けるだけのストックを持っているはずなんです。出典:仕事選びのアートとサイエンス 不確実な時代の天職探し 改訂『天職は寝て待て』 (光文社新書) [ 山口周 ]
本当に「好き」なら、仕事でなくても自然とやっているはず。
キャリアコンサルタントになりたいなら、日常的に友人の相談に乗っていたり、キャリア関連の記事を自主的に読んでいたりするはずです。
もし、今すぐに仕事として関われなくても、自分で発信したり、小さな行動を起こしているかどうかを振り返ってみましょう。
✅ 本当に好きなことなら、すでに何か行動しているはず。
✅ 仕事としてではなくても、趣味や自主的な活動に表れているかチェック。
✅ 「やりたい仕事」ではなく、「どんな作業が楽しいのか?」を考えてみる。
『仕事選びのアートとサイエンス』は、このような「好き」と仕事の関係を見極めるヒントを与えてくれます。
企業が重視するのは「経験」と「ポテンシャル」。
仕事選びにおいて、企業が求めるものを知ることも大切です。
企業が人材を採用する際、主に以下の2つの要素を見ています。
- 経験・スキル(即戦力性)
- ポテンシャル(入社後の活躍可能性)
未経験の仕事に挑戦する場合、経験やスキルが不足していることがほとんどです。そのため、企業はポテンシャルを見極めようとします。
ポテンシャルを示すには、以下のようなアクションが有効です。
✅ 好きな分野に関する自主的な取り組み(ブログ、ポートフォリオ、SNS発信など)。
✅ スクールや資格取得を通じた学習意欲の証明。
✅ 転職先が求めるスキルを独学で身につけているか。
ただ「好きだからやりたいです」と言うだけでは、企業は採用するメリットを感じません。
好きなことを仕事にしたいなら、それを裏付ける行動を取ることが重要です。
まとめ:好きなことを仕事にするためのチェックポイント。
- 「好き」と「憧れ」を混同していないか自分に問いかける。
- 本当に好きなら、すでに何かしら行動しているはず。
- 企業が求める「ポテンシャル」を示す。
- 具体的な行動(ブログ、ポートフォリオ、学習など)を通じて、意欲を証明する。
- 仕事の中で「好き」を見つける視点を持つ。
- 好きな業界や職種にこだわるだけでなく、「どんな業務が楽しいか」を考える。
仕事選びについてのヒントを得たい方は、ぜひ『仕事選びのアートとサイエンス』を手に取ってみてください。
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