仕事でやりたいことは?と言われると見つからない。キャリア支援の仕事をしていると、よく聞きます。
やりたいことの見つけ方は、たくさんあります。関連する本もたくさん出ていますよね。それくらい多くの人にとって関心があるテーマなのでしょう。
今回は、仕事でやりたいことを見つけるためのヒントについて書きます。
世の中にたくさんある「見つけ方」、その中のたった1つのヒントです。
万人の参考にはならないと思いますが、
- やりたいことが、ざっくりと言葉になっているが、具体的にならない。
- 自分の強みやできることは言葉にできたが、何をやりたいのか分からない。
- 壮大なビジョンを描かないといけないと思っている。
あなたがこんな思いでいるなら、きっと役に立つと思います。
私自身、何となく「人前で話すこと」や「人の話を聴くこと」は得意だなと思っていたものの、「何を話すのか」、「話を聴いて何をするのか」という「中身」「事」が見つからない時期を長く過ごしてきました。
ぜひ、本記事を読んで、やりたいことを見つけるヒントにしていただけたらと思います!
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やりたいことを見つけるための問い|自分にできることの中で、他の人もできるようになれば幸せになるのに、と思うことは何ですか?
この問いに答えてみましょう。どんな答えが浮かびますか?
まず、あなたにできることが何か。これは、いわゆる「強み」みたいに仰々しく考えなくて良いです。自分が何も考えずとも自然とできることを、洗い出してみましょう。
人の話を聴ける、愛想よく振る舞うことができる、何でもおいしく食べられる、きれいに掃除ができる、決まったルーティンを続けられる、飽きずに本を読める、服のコーディネートができる、興味を持ったことの勉強ができる……などなど、こんな感じのイメージで、どんどん出してみましょう。難しく考えず、思いついたら書いてみるのが大事です。
あなたにできることを書き出してみたら、その中で「他の人もできるようになったら幸せになるのに」と思うことを探してみましょう。
- 世の中の人が、もっと人の話を聴けるようになったら幸せになれるのに。
- きれいに掃除ができるようになると、みんなもっと幸せになれるのにな。
- 決まったルーティンを続けられると、幸せになれる人がたくさんいるのにな。
など、自分ができることの中で、他の人ができるようになると、幸せになるのにと思うことをピックアップします。
それは、「あなたにできて、他の人にできないこと。かつ、できるようになると幸せになれる可能性がること」、すなはち「仕事の種」です。
仕事でやりたいことには、「自分軸」と「社会軸」という考え方があります。
自分軸は、自分がやりたいからやる・自分が得意だからやる、という自分を主語にした軸。社会軸は、自分以外の人や社会にとってよいからやる・社会にニーズがあるからやる、という自分以外を主語にした軸です。
仕事には、自分軸と社会軸の両方が必要です。自分軸だけになると買ってくれる人がいませんし、社会軸だけになるとやっている自分が苦しくなります。
この問いで導いたことは、自分ができて(自分軸)、他人ができるようになったら幸せになる(社会軸)ことなので、自分軸と社会軸の両方を捉えた内容になっています。
筆者の場合は、以下のように考えました。
ーーー
キャリア・人生を通じて絶頂もどん底も両方経験してきたが、自分の人生がポジティブかネガティブかと聞かれると、ポジティブと即答できる。これはなぜか。
↓
自分軸:何事も、自分で決めてきたからではないか。つまり、私は「自分のことを自分で決めることができる」ということ。
↓
社会軸:他の人も、自分で自分のことが決められると実感できるようになると、もっと幸せになるのではないか。
↓
仕事を通じてやりたいこと:人々に自分で決める力=自己決定力を育んでいただくこと。
ーーー
と言葉にしました。
やりたい「こと」が見つかったら、それを「誰に」・「どうやって」届けるのか、考えてみる。
自分ができることの中から、他の人もできるようになったら幸せなのに、と思うことをピックアップしてみて、やりたい「こと」が見つかったら、そのやり方を考えてみます。
ポイントは、「誰に」・「どうやって」届けるのか、です。
例えば、「きれいに掃除ができること」をやりたい「こと」として置いたとします。
その「きれいに掃除ができること」の価値を、誰に・どうやって届けるのかを考えます。
- 誰に:小学生、中学生、高校生、大学生、社会人、20代、30代、会社員、個人事業主、経営者、忙しい人、時間がある人……どんな人にその価値を届けたいのかを考えます。
- どうやって:1対1で教える、情報として発信してオンラインで届ける、本にする、川柳にして発信する、講座を開く、人に代わって自分が掃除する、掃除に関するサービスを作る、掃除に関わる商品を紹介する、掃除ができる機械・ロボットを開発する……その価値をどのように届けるのかを考えます。
届けたい価値=やりたい「こと」にはすでに価値があると分かっているので、迷う必要はありません。それをどんな人にどうやって届けたいのかを考えます。
「どうやって」の部分は、あなたの得意なことがポイントになります。話すが得意なら教える・講座を開く、というのが良いかもしれませんし、書くのが得意なら本や文字情報での発信、伝えるよりも自分がやってその価値を伝えたいなら自分がやる、というのでもよいと思います。
このように、やりたいことの価値を仕事にする方法を考えていきましょう。
筆者の場合は、話を聴くことが得意だったので、「やりたいこと=自己決定力を育んでいただくこと」をキャリアコンサルティングやコーチングという方法を通じて伝えようと考え、その仕事に就くことを目指しました。また、書くこと、話すことも得意(というより、やってみたいに近いかも)なので、ブログや本の執筆、講師の仕事などをしています。
このように、「やりたいこと」と「やる方法」を考えることで、仕事でやりたいことが少しずつ見えてきます。
まとめ 仕事でやりたいことの見つけ方|自分にできることの中で、他の人もできるようになれば幸せになるのに、と思うことは何ですか?の問いから始めてみる。
自分にできることの中で、他の人もできるようになれば幸せになるのに、と思うことは何ですか?の問いに答え、それを誰に・どうやって届けるのかを考える。
このステップを踏むことで、見えてこなかった「やりたいこと」が見えてきます。
見つけ方のひとつですが、何から始めたらいいか分からなくなっている人には、ぜひやってみて欲しいです。
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