初心者必見!キャリア相談のプロが教える転職活動の流れと進め方。

転職活動

転職エージェントの仕事をしていた頃、よく受けたのが「転職活動の流れを教えてください」というご相談です。転職をするぞ!と決めたは良いものの、何から始めたらよいか分からないという人がたくさんいらっしゃいました。

この記事では、転職活動の一般的な流れ、準備するもの、気を付けるべきことなどを解説します。

あなたが、

  • 転職活動が初めてで何から始めたらよいか分からない。
  • 後になって、こうやっておけばよかったと後悔したくない。
  • 転職エージェントに相談する前に基本的なことを知っておきたい。

というお気持ちであれば、お役に立てると思います。ぜひ読んでいってください!

転職活動流れ ~3つのフェーズ~

転職活動は以下の3つのフェーズで進みます。
  1. 準備&応募
  2. 選考&内定
  3. 退職&引継ぎ

一つずつ見ていきましょう!

第1フェーズ 準備&応募

まずは、書類の準備と応募する求人の選定を行います。
できるだけ書類の準備を行ってから応募をするようにしましょう。最低限の登録情報だけで応募を進めても良いですが、情報が薄すぎると書類選考で落ちる可能性が高くなります。

準備するものは、職務経歴書・履歴書・証明写真の3つです。

職務経歴書

自分の経歴を具体的に記載した書類です。書類選考で最も詳しく見られます。

職務経歴書に記載する一般的な項目は下記のような感じです。

●職務要約:これまでの職歴・経験を要約したもの。
●経験・スキル:PCスキル、商材や業界に関する知識、職種の経験、などを箇条書きにしたもの。
●職務詳細:所属企業や部署、職種、業務内容、実績などを詳細に記載したもの。
●資格・語学:保有資格や語学力について記載したもの。
●自己PR:職務経歴における自分の強みやセールスポイントを記載したもの。

なお、新卒の就活では企業ごとにエントリーシートを作成して応募するのが一般的だと思いますが、転職の場合は同じものを使う方が一般的です。

応募する職種によって自己PRや実績の書き方は変えた方がよい場合もありますが、1社1社作成する必要はないでしょう。

履歴書

最近はPCで作成する方が一般的です。「手書き」と指定がない限り、PCで作成したもので問題ありません。

履歴書に記載する一般的な項目は以下の通りです。

●基本情報:氏名・年齢・生年月日・性別・連絡先。
●学歴:高校入学から記載することが多いですが、中学から記載しても問題ありません。
●職歴:入社年月と退職年月を1社ごとに記載します。
●資格・語学:保有資格や語学力について記載したもの。
●その他:何か特記事項があれば記載。

志望動機は書いても書かなくても問題ありません。書こうとすると1社1社考える必要があるため転職活動全般のスピードが落ちます。よって履歴書にはわざわざ書かなくても良いと思います。

人材サービス会社のHPなどに、無料でダウンロードできるフォーマットもありますので、探してみるとよいでしょう。

また、エージェントやナビサイトを使用する場合は、マイページにあるプロフィール情報を漏れなく更新しましょう。マイページの情報が応募時の書類として使われるケースもあります。

証明写真

理想は写真屋さんで撮ってもらうことですが、スマホで撮影したものでも問題ないです。最低限ジャケットは着用し、背景は無地のものを撮影しましょう。

求人への応募

書類が整ったら、求人への応募をしましょう。応募する基準や何件応募したらよいのか、というご質問をよく聞きます。

私の考えでは、「書類選考が通ったら1次面接を受けてみたい」と思ったら応募するという基準で選定すると良いと思います。

なぜなら、この基準は「誰にも迷惑をかけずに自分の可能性を最大限模索できる方法だから」です。

良くないケースを2つ見てみましょう。

  1. 応募しすぎなケース
    転職エージェントから「とにかく何でもいいから応募しましょう」と言われて応募したが、本当は受けたい会社じゃなかった。だから書類選考が通ったのに面接に行かなかった。という話をよく聞きます。これは、書類選考をしてくれた企業からすると迷惑な話です。企業にもよりますが、書類選考には人事担当者だけでなく現場の社員の時間も割かれているケースがよくあります。最低限、面接には参加しましょう。面接をしたうえで「やっぱり違う」と思ったらその時点で選考を辞退すればよいのです。
  2. 応募しなさすぎなケース
    「今の時点で受かったら入社したい会社にしか応募しない」という慎重派な考えの人もいますが、可能性を狭めるという大きなデメリットがあるので、お勧めはしません。「第3志望だったが面接に行ったら印象が変わって第一志望になった」という話はよくあります。また、1社ずつ応募してしまうと、内定が出るタイミングがそろわず「A社の回答期限が明日だが、B社の面接が来週のため比較できない」という事象が起きやすくなります。その観点からも、極力積極的に応募する方がよいでしょう。

上記の2ケースに比べ、「書類選考が通ったら1次面接を受けてみたい」と思ったら応募するという基準では、応募の件数を確保しながら、面接での見極めも実践できます。
企業としても、面接を受けて違うと思われたなら仕方ない、と納得ができるため、誰の迷惑にもならずに自分の可能性を模索できる基準と言えるでしょう。

第2フェーズ 選考&内定

求人へ応募したら選考が始まります。
選考は、書類選考 → 面接選考 の順で進みます。

それぞれのポイントを見ていきましょう。

書類選考のポイント

書類選考の結果は概ね1-2週間で出てきます。2週間経っても音沙汰がない場合は、応募先企業の連絡先へ問い合わせすると良いでしょう(転職エージェントを使っている場合はエージェントの担当者経由で)。何某かの事情があるかもしれません。
例えば、人事が忙しくて手が回っていない/人事は面接に呼びたいのに現場が回答をくれない/現在最終面接の方がおりその方の結果が判明するまで待って欲しい……など。

書類選考について、よく「何社くらい応募すればいいのでしょうか」とご質問をいただくことがあります。これは本当に難しい質問で、人や状況によって異なります。

業界や職種について、経験があれば書類選考通過の可能性が高くなりますし、未経験であれば可能性は低くなります。

目安として、3-5件書類選考が通過するまで断続的に応募すると良いでしょう。常に複数の面接が控えている状態になるため、面接の感覚が鈍らず、会社ごとの良いところ良くないところを比較しながら転職活動を進められます。

面接選考のポイント

面接の内容は、人事面接/現場面接/役員面接(順番は企業次第)、というのが一般的で、面接回数は2-3回のところが多いです。

●人事面接 これまでの意思決定の軸や今回の転職理由、志望動機、今後の展望、困難をどう乗り越えたか……など、キャリアに関することをよく問われます。
●現場面接 これまでの経験・スキル・実績など、実際に現場で活躍できそうな人か、という点が見られます。
●役員面接では、人事・現場での評価を踏まえた総合判断がなされます。位置づけや内容は企業によって変わります。

なお、面接は基本的に平日です。最近は働き方改革が進んでおり、最終開始時間も18:00までというところをよく目にします。19:00以降の開始も検討してくれるケースがありますので、困ったら相談しましょう。

内定時のポイント

複数回の面接を経て晴れて内定!となった後、「回答期限」というものが設定されます。新卒の就活と違うと感じる人も多いポイントですので、注意しましょう。

回答期限とは、「あなたをこの条件で採用したいと思っています」という企業からのオファーに対して、あなたが「受諾するか辞退するか」の返事をする期限のことです。

一般的には、オファーがあった日から1週間程度の期間で設定されることが多いです。ケースによっては2-3日で設定されることもありますので、オファーを得た際は必ず回答期限を確認しましょう。

オファーを得てから「え!私が受諾するまで待ってくれるんじゃないの!?」とならないように、回答期限が設定されることを覚えておきましょう。

第3フェーズ 退職&引継ぎ

内定先の企業にオファー受諾の返事をしたら、次は現職企業との退職交渉です。

これは内定受諾の返事をしたら、翌日か遅くとも翌々日には取り掛かりましょう。流れは、直属の上長(課長) → 配属先の長(支社長や部長) → 人事 というのが一般的です。まずは直属の上長に退職の意向を伝えましょう。

退職手続きを進めるときのポイントは以下の通りです。

●スタンス:退職の「相談」ではなく「報告」として伝える。「退職したいと思っているのですが」ではなく「●月●日付で退職することにしたので手続きをお願いします」と伝えましょう。「相談」のスタンスで臨むと、相手に引き留めの余地を与えることになってしまします。

●形跡を残す
:退職の意思表示をした証拠を残しましょう。退職願を書面で渡すのもありですが、口頭で伝えた後にメールで残しておくと良いです。

●詳しい退職理由を言わない
:なぜ退職するのか聞かれると思いますが、詳しい理由は言わない方が良いです。「新しく挑戦したいことが見つかったので」などのように一般的な理由で留めましょう。詳しく伝えると、引き留めの余地を与えることになります。例:「残業が多いので」→「残業が少ない部署に異動させるから残ってよ」など。

●転職先の会社名を言わない
:転職先の会社名は言う義務もなければメリットもありません。「転職して落ち着いたらご報告いたします。」と伝えましょう。

強い引き留めにあう、上長が取り合ってくれない、無視される、などの事情で退職手続きが前に進まない時は、「上の上に言っちゃうぞ作戦」を実行しましょう。

課長が取り合ってくれない場合は「私から直接部長に言います」と伝える。
部長が取り合ってくれない場合は「私から直接本部長に言います」と伝える。
本部長が取り合ってくれない場合は「私から直接人事に言います」と伝える。
人事も取り合ってくれない場合は「公的機関=労働基準監督署に相談します」と伝える。

上記のように、上司も自分の上司に直接言われることは避けたがることが多いものです。どこかの段階でしっかりと取り合ってくれると思いますので、困ったときはやってみてください。

転職活動にかかる期間について

ここまで転職活動の流れについて説明しました。トータルでどれくらいの期間がかかるかというと、おおむね3-4か月ほどです。

準備・応募に1週間程度、選考・内定まで1-2か月、退職から入社まで1-2か月、というスケジュール感が一般的です。

もちろん個別差はありますので、企業や転職エージェントと相談しながら進めましょう。

まとめ

転職活動の流れについて説明しました。

初めて転職活動をする人は、何から始めてどう進んでいくのか、分からないものですよね。

相談相手によっては、とにかく早くたくさん応募して!と急かされることもあると思いますが、しっかりスケジュール感の見通しを持っておくだけで、ペースを乱さず活動できると思います。

まとめ ~転職活動の流れ~
1 準備&応募 書類を作って求人に応募しましょう。
2 選考&内定 内定の承諾期限に注意しましょう。
3 退職&引継ぎ 退職は相談ではなく報告のスタンスで伝えましょう。

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